安達司法書士.comブログ:信託型ライツプラン - livedoor Blog(ブログ)

2005年06月30日

信託型ライツプラン


敵対的買収防衛策の導入に踏み切る企業が話題になっています。

ペンタックス、西濃運輸が株主総会で導入したのが「信託型」ライツプラン=ポイズンピルというものです。

企業側の説明によると、「防衛策を導入する際の株主に新株予約権を割り当てたのでは、その後に当社の株主になった者は、新株予約権を取得できないため、防衛策が発動された場合に買収者と無関係であっても株式の希釈化による不測の不利益を受ける可能性がある。それに引き替え、信託型ライツプランでは、買収者が出現した際の株主に信託銀行に預けておいた新株予約権を交付するので、株式の希釈化による不利益を受けるという事態を回避することができる」と説明しています。詳しくはこちらをご覧ください。

このような信託銀行を介したスキームが採用されるのは、信託銀行に対して新株予約権を発行した際には、実質無価値とみなし、原則非課税とする国税庁の御墨付が与えられたことも大きいのですが、有事に名義書換代理人である信託銀行なしに機動的な事務処理ができない点が挙げられます。

ライツプラン=ポイズンピルは実際に使われることはまずないようです。現に、企業全体の6割が導入しているアメリカにおいても、実際に発動されたのは間違って発動してしまった1件だけのようです。

信託型ライツプランは、商業登記的には第三者割当による新株予約権の有利発行に過ぎません。

したがって、新株予約権を行使することができる期間、新株予約権の行使の条件、会社が新株予約権の消却をすることができる事由及び消却の条件を登記することになります(商280ノ32↓検280ノ20↓固技雖)。

新株予約権は、行使条件、消却事由の設計が重要です。ライツプランでは、買収者とその一定の関係者は、新株予約権を行使できない設計になっています。また、企業側は、「会社や株主の利益に反しない買収に対して、取締役の保身のために新株予約権を行使できないように、行使条件、消却事由が客観的に定められている」旨を強調しています。

新株予約権の発行手続については、過去ログ「新株予約権についてお勉強」がありますので参考にしてください。

新株予約権の消却による変更登記手続についても簡単に説明しておきます。

  1. 新株予約権は、登記事項である消却事由が発生したときに限り消却することができます(商280ノ36)。


  2. 取締役会の決議をもって、消却されるべき新株予約権を決定します(商280ノ36仝綯)。


  3. 1ヵ月を下らない一定の期間内に新株予約権証券を提出すべき旨の公告(定款に定めた公告方法で行います。)をし(ただし、新株予約権証券が発行されている場合に限ります。)、かつ、新株予約権者に個別に通知します(商280ノ36↓)。


  4. 消却の効力発生日は、公告期間満了日の翌日です(商280ノ36)。


  5. 添付書類
      取締役会議事録(商登79)
      消却をすることができる事由として定められた事由の発生を証する書面(商登89ノ2)
      新株予約権証券を提出すべき旨の公告又は通知をしたことを証する書面(商登89ノ2)
      委任状(商登18)

  6. OCR用申請書の記載例
    • 「新株予約権の名称」
      第○回新株予約権
      「原因年月日」《効力発生日》新株予約権全部消却


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