安達司法書士.comブログ:公開会社でない株式会社 - livedoor Blog(ブログ)

2005年07月10日

公開会社でない株式会社


新会社法成立(6/29)のニュースは、郵政民営化法案の衆院通過に比べて小さなものでした。そろそろ、当方も本格的に勉強を始めよう!

新会社法の条文中、関心の高い取締役の任期を規定した第332条第2項には、「・・・公開会社でない株式会社(委員会設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に・・・」とあります。「公開会社でない株式会社」という用語が出てきますが、そもそも、「公開会社」とは何でしょう。もちろん、上場会社のことではありません。

新会社法第2条第5号によれば、公開会社とは、「発行する全部又は一部の株式の内容として、株式の譲渡制限が定款に定められていない株式会社」ということになります。とすれば、公開会社でない株式会社(以下、「非公開会社」といいます。)とは、「発行済株式全部に譲渡制限を定めている株式会社」ということになります。

注意公開会社の定義中、「一部」は、数種の株式を発行している株式会社において、その一部の種類株式を意味します。したがって、譲渡自由な普通株式と譲渡制限付優先株式を発行する株式会社は、公開会社となります。

株式の譲渡制限(商204|⊇)と言えば、株主の投下資本回収の途を保障する株式譲渡自由の原則(商204)槓)の例外として、小規模閉鎖会社における経営の独立性を確保するためのお馴染みの規定です。

株式譲渡制限規定を設定する定款変更決議は、株主総会の超特別決議(商348)が必要です。その後に、1ヵ月を下らない一定の期間内に株券を提出すべき旨の公告(定款に定めた公告方法で行います)をし、かつ、株主等に個別に通知します(商350)。効力発生日は、公告期間満了日の翌日です(商350)。

新会社法においても、譲渡制限を設置する場合の定款変更には、通常の株主総会の特別決議(309)より要件が加重された決議(309)が必要です。また、株券廃止会社(過去ログ「株券不発行制度」をご覧ください。)でなければ、株券提出公告(219´)も行わなければなりません。

注意「譲渡制限株式」を定義する第2条第17号にも「株式の内容として」とありますから、株式譲渡制限は、現行のように独立の項目として登記されるのではなく、「発行する株式の内容」(911)として記載されることになるのでしょう...

商法第2編、有限会社法等を統合した新会社法は、圧倒的に多い非公開会社を前提に規律し、会社の機関は、単純な有限会社を基本にしています。

まず、株式会社の必須機関として、株主総会と取締役を規定しています。その上で、非公開会社では、取締役会、監査役等の機関設置を定款の規定に委ね、公開会社では、取締役会、監査役等の機関設置を原則としています(326、327)。取締役、監査役の任期は法定されていますが、非公開会社では、定款に定めれば、それぞれ10年まで伸長することができます(332、336)。

株式を譲渡した場合の承認機関は、定款に定めないと、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)となります(107↓機139)。

社員以外の者への持分の譲渡制限が法定されている(有19)有限会社は、新会社法施行でどう変わるのでしょう。「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」に規定されていますので、関心が高いと思われる部分を以下に示します。

  1. 新会社法施行と共に有限会社法は廃止されますが、旧有限会社は株式会社として存続します(「特例有限会社」といいます)。ただし、商号中に有限会社という文字を用いなければなりません(2、3)。


  2. 旧有限会社の定款、社員、持分及び出資1口は、それぞれ株式会社の定款、株主、株式及び1株とみなされます(2)。


  3. 定款には全株式の内容として譲渡制限(この内容については条文を参照してください)が設置されているものとみなされ、特例有限会社は、これと異なる定款の変更をすることができません(9)。


  4. 役員の任期については、新会社法の規定の適用がありません(18)。


  5. 決算公告の必要はありません(28)。


  6. 特例有限会社の定款を変更して、その商号中に株式会社の文字を用いる商号変更をすることができます(45)。この場合、株式会社の設立登記と特例有限会社の解散登記を同時に申請します(46)。


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horiemon3_ at 12:51│Comments(0)TrackBack(0)新会社法:株式 

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