安達司法書士.comブログ:新会社法での株式会社設立 - livedoor Blog(ブログ)

2005年07月25日

新会社法での株式会社設立


新会社法の施行により、株式会社の設立手続はどう変わるのでしょう。

会社の設立は、商号・目的の調査から始まりますが、類似商号禁止規定がなくなりました。

類似商号禁止規定廃止に伴い、商号の仮登記の規定(商登35〜41)が削除されました。事業目的の内容についても、運用面での大幅な緩和が予想されます。

注意設立予定の会社の商号が、既登記の商号と同一であり、かつ、双方の所在地が同一であるときは、設立登記をすることができません(改正商登27)。また、不正目的での一定の商号の使用は禁止されています(8)から、設立時の商号調査から完全に開放されたわけではありません。

新会社法についての話題の中心は、株式会社設立では、最低資本金制度の撤廃でしょう。

新会社法施行後は、確認会社の煩雑な手続を経ずに、いつでも1円会社を設立することができます。

注意確認会社については、新会社法施行後に、取締役会設置会社にあっては取締役会の決議、取締役会設置会社でない会社にあっては取締役の過半数の決定により、解散事由を廃止する定款変更を行えば、増資の必要もなく現状のまま存続できます(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律448)。

株式会社の設立方法としては、商法に準じて、発起設立と募集設立(25´記)の両方が残りました。

注意発起設立では、発起人が定めた払込取扱機関への払込みは必要(34)とされていますが、募集設立と異なり(64)、保管証明書の添付は必須ではありません(改正商登47↓)。

発起設立の「払込みがあったことを証する書面」は、確認会社の設立登記に準じ(平成15.1.21法務省民商第190号)、代表者が払込みを証明した書面に、取引明細表等払込取扱機関が作成した書面か、払込取扱機関における口座の預金通帳の写しのいずれかを合綴したもので足りると考えます。

新会社法施行後は、発起設立を選択すれば、金融機関の手数料が助かりそうです。

現物出資では、商法の少額免除規定「資本ノ5分ノ1ヲ超エズ且500万円ヲ超エザル場合」(商173↓軌貮抜粋)のうち、資本金の5分の1制限が削除されました(33)。また、検査役の調査を要しない有価証券の範囲が、「取引所ノ相場アル有価証券」(商173↓)から「市場価格のある有価証券」に拡大されました(33)。

新会社法での少額免除の拡大により、資本金500万円までの株式会社は、検査役の調査を要しない現物出資だけで設立することが可能になります。なお、商法同様、定款への記載は必要です(28)。

定款を作成する上で注意すべき事項を以下に示します。

  1. 「公告方法」(商法では「公告をする方法」)は絶対的記載事項(27)ではなくなりましたが、定款に記載しないと、自動的に官報になります(91130号、939)。


  2. 「発行可能株式総数」(商法では「発行する株式の総数」)も絶対的記載事項(27)ではなくなりましたが、後の定款変更での追加も可能になりました(発起設立37 ∧臀言瀘98)。


  3. 新会社法第37条第3項は、商法第166条第4項同様、設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を最低限とする制限及び非公開会社の例外を規定しています。

  4. 新たに、「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」が絶対的記載事項になりました(27)。


  5. 財産の価額より低い最低額を定めておくと、発起人の一人に事故が発生した時の保険になります(36参照)。

  6. 現在の定款は、設立時の「株式ノ発行価額」を定めています(商168ノ2)が、新会社法施行後は、「設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額」を定めることになります(32´)。


  7. 注意新会社法の条文に「発行価額」の用語はありません。
    例えば、新会社法第445条では、発行価額を基準に規律する商法第284条ノ2と異なり、第1項で「株式会社の資本金の額は、・・・設立又は株式の発行に際して・・・払込み又は給付をした財産の額とする。」(一部省略)、第2項で「・・・払込み又は給付に係る額のニ分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。」(一部省略)と規定しています。

  8. 発起設立では、定款で役員を選任するケースが多いですが、これが明文化されました(38)。


  9. 機関設計については、過去ログ「大会社の監査役が1名...」「会計参与」をご覧ください。

  10. 商法の「名義書換代理人」(商206)が、新会社法では「株主名簿管理人」に変わりました(123)。


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horiemon3_ at 17:01│Comments(0)TrackBack(0)新会社法:設立 

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