安達司法書士.comブログ:中間省略登記 - livedoor Blog(ブログ)

2005年09月27日

中間省略登記


改正不動産登記法施行から半年が過ぎた今月中旬、日司連発の「中間省略登記申請の業務取り扱いについて」という通知が、所属会から届きました。施行直前に続きこれで二度目です。通知の趣旨は、「物権変動の過程を公示することによって、取引の安全と円滑に資することを目的とする不動産登記制度に反する中間省略登記に関与することは、司法書士は厳に慎まなければならない。中間省略と知りつつ申請すれば、職責を問われる。」という厳しいものです。


そもそも中間省略登記とは、甲という所有者が物件を乙に売却したが、乙は所有権移転登記を申請せずに丙に転売し、甲の登記済証・印鑑証明書・委任状等の登記一件書類を添付して甲から丙への所有権移転登記を申請することです。当然のことながら、登記記録(登記簿)では、甲から丙への所有権移転登記しか記録されません。中間省略登記は、「登録免許税や諸経費を節約して転売利益を上げたい」という不動産業者(この場合の乙)を中心に利用されてきました。

判例は下記のとおり、三者の合意を条件に中間省略登記を認め、中間者の同意なしになされた登記でも、中間者が中間省略登記の抹消登記を求める正当な利益を有しない限り有効としています。
甲・乙・丙と順次に所有権が移転したのに登記名義が依然として甲にある場合、丙の中間省略手続請求を認容するには甲および乙の同意のあることを要する(最判昭40.9.21民集19-6-1560)。
中間省略登記が中間者の同意なしにされたとしても、それが現実の実体的権利関係に合致する場合には、右登記の抹消登記を求める正当の利益を有する中間者以外の者は、その抹消を請求することはできない(最判昭44.5.2民集23-6-951)。

また、中間省略登記は、刑法の公正証書原本不実記載罪(刑157)を構成しないとするのが通説・判例(東京高判昭27.5.27高刑集5-5-861)です。

これに対し、法務当局は中間省略登記を一貫して認めない立場を採りながらも、登記官は形式的審査権しか有していないことから、書面上中間者の存在が明らかにならない限り、そのまま受理してきました。なお、判決による登記の場合、判決理由中で中間者の存在が明らかになっても例外的に受理されています。

しかし、改正後の不動産登記法は、「登記原因証明情報」の提供を義務づけ(不登記令7´好)、契約の当事者、日時、対象物件のほか、売買契約の存在と当該売買契約に基づき所有権が移転したことを明示させる運用に変えました。改正により、中間省略登記が不可能になったと言われる所以です。

法は、登記をするかしないかは当事者の意思に任せているのに、運用面で、権利保全を望まない者にまで登記が強制されることになる結果には、個人的には疑問を感じます。

そうは言っても、中間省略登記を受託したりはしませんけど…


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horiemon3_ at 18:10│Comments(0)TrackBack(1)不動産登記 

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1. 買主たる地位の承継  [ 不動産マイスターへの道 ]   2005年10月21日 00:59
本日、三重県にある2物件を一括して売却する取引の決済(クローンジング)がありました。 このうち1物件について、「買主たる地位の承継」が行われました。

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