安達司法書士.comブログ:有限会社の本店移転 - livedoor Blog(ブログ)

2005年10月27日

有限会社の本店移転


有限会社の同一管内かつ定款変更を要しない本店移転登記が、先日完了しました。

この登記自体は特筆すべきものではありませんが、新会社法施行後はどのように変わるのか見てみましょう。

まず、現行法では、

  • 有限会社法第26条には、「取締役数人アル場合ニ於テ定款ニ別段ノ定ナキトキハ会社ノ業務執行ハ取締役ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス 支店ノ設置、移転及廃止並ニ支配人ノ選任及解任亦同ジ」とあります。


  • 有限会社の添付書面の通則である商業登記法第26条第1項には、「---申請書に社員総会の議事録又はある取締役若しくは清算人の一致があったことを証する書面を添付---(一部抜粋)」と規定されています。
したがって、本件でも、「取締役の一致があったことを証する書面」として、取締役決議書を添付しました。

注意なお、「定款の変更を伴わない有限会社の本店移転登記の申請書には、当該会社の取締役が一人であれば商業登記法第94条に規定する「ある取締役の一致があったことを証する書面」の添付を要しない。」との質疑応答(登研372.83)がありますが、申請人の意思を明確にするため、当方は、取締役決定書を添付しています。

現行有限会社は、当ブログでも何度か書きましたが、新会社法施行後は、「特例有限会社」という特殊な株式会社として存続します(整備法2、3)。

それでは、新会社法施行後は、

  • 業務の執行を規定した新会社法第348条は、「ー萃役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。⊆萃役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。」とあります。


  • 注意特例有限会社には、重要事項の決定を各取締役に委任することを禁じた、新会社法第348条第3項の規定の適用がありません(整備法21)。

    注意特例有限会社には、定款の定めによっても、取締役会を置くことができません(整備法17)。

  • 添付書面の通則である改正商業登記法第46条第1項には、「---ある取締役若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付---(一部抜粋)」と規定されています。
特例有限会社も株式会社である以上、企業の所有者は社員から株主になり、従来、社員総会議事録を添付していたケースでは、株主総会議事録を添付することになります。

しかし、条文を対比するとお分かりのように、本件のような定款変更を要しない本店移転では、特例有限会社の添付書類は、現行有限会社のそれと変わらないといえます。


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この記事へのコメント

1. Posted by tigger9314   2008年07月18日 07:15
お答えいただけたら幸いです。特例有限会社(本店:東京都)の支店が大阪にありますが、この大阪の支店を福岡に移転する場合の決議は、株主総会でしょうか、それとも複数いる取締役でしょうか。

tigger9314 様
コメントありがとうございます。
特例有限会社における支店の移転は、取締役が複数名いる場合には、取締役の過半数をもって決定します(会社法348条2項3項2号)。ちなみに、登記申請書には、「取締役の決定書」を添付します。
   ---安達司法書士---
2. Posted by tigger9314   2008年07月18日 12:52
早速の御回答に感謝いたします。ありがとうございました。

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