安達司法書士.comブログ:現任役員の退任時期 - livedoor Blog(ブログ)

2006年03月17日

現任役員の退任時期


スタイル変更(2006/3/11でした!)後、最初の新会社法シリーズは、既存会社の役員の退任時期についてお送りします。

現任役員の任期については、「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(以下「整備法」といいます。)第47条が次のとおり規定しています。

「この法律の施行の際現に旧株式会社の取締役、監査役又は清算人である 者の任期については、なお従前の例による。」

したがって、平成17年6月の定時総会で選任され就任した取締役は、一般的な定款規定によれば平成19年6月の定時総会終結時に退任することになります。

ただし、株式譲渡制限会社すなわち新会社法における非公開会社が、新会社法施行後任期満了前に株主総会で任期伸長の定款変更をした場合、前記規定にかかわらず変更後の任期になります。

参考までに、会社法の取締役の任期条項を以下に示します。

第332条  取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終の ものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。
    ◆ 前項の規定は、公開会社でない株式会社(委員会設置会社を除く。) において、定款によって、同項の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。
      委員会設置会社の取締役についての第1項の規定の適用については、同項中「2年」とあるのは、「1年」とする。
(以下省略)

続いて、現任監査役についてですが、こちらも整備法第47条の規定により、平成17年6月の定時総会で選任され就任した監査役は、平成21年6月の定時総会終結時に退任することになります。

ただし、非公開会社においては、新会社法施行後任期満了前に株主総会で任期伸長の定款変更をした場合、取締役同様変更後の任期になります。

注意すべきは、公開会社(会社法第2条第5号)である小会社の監査役の退任時期です。

小会社とは、資本金1億円以下かつ負債総額200億円を超えない株式会社(商法特例法第1条の2第2項)をいいます。また、会社法の監査役の任期条項は下記のとおりです。

第336条  監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終の ものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
    ◆ 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、 同項の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。
      第1項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補 欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。
    ぁ 前3項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、 監査役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
1 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更
2 委員会を置く旨の定款の変更
3 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更
(以下省略)

現行小会社の監査役は、会計監査権限しか有していません(商法特例法第22条第1項)。

これが、新会社法施行後の監査役の権限は、資本金の額にかかわらず業務監査にも及びます(会社法第381条)。

ただし、非公開会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)については、定款の定めにより監査の範囲を会計に限定することが認められており(会社法第389条第1項)、さらに既存の小会社の定款には、この定めがあるものとみなされます(整備法第53条)。

もうお分かりでしょう!小会社のうち公開会社の監査役については、監査の範囲を会計に関するものに限定することは認められません。

そこで、公開会社である小会社の現任監査役は、監査役の権限拡張による退任規定である会社法第336条第4項第3号により、会社法の施行日をもって退任することになります。


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horiemon3_ at 21:41│Comments(1)TrackBack(0)新会社法:機関 

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この記事へのコメント

1. Posted by 末松廣一   2006年05月28日 20:50
4 公開小会社が非公開小会社の会計のみの監査役として監査役の任期を伸張したくても施行日に退任しているので、新たな監査役をいつ選任したとするのですか。例えば5月26日選任の会議を開いたときに5月1日会社法改正により退任として登記するのでしょうか。
就任は5月26日とするのですか。
25日朝譲渡制限を設けて、26日に選任としなければならないでしょうか。同日にどちらも議決できると思いますが。

末松廣一 様
コメントありがとうございます。
現監査役は後任者が就任するまで権利義務を承継します(会社346 砲里如現監査役は5月1日退任、新監査役は5月26日就任となります。また、監査役の権限を会計に限定するには、前記総会において株式の譲渡制限規定及び監査役の監査権限規定(会社389 砲鮨契澆垢訥蟯省儿后文力発生日を同日とする。)を行なう必要があると考えます。

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