合資会社を株式会社に組織変更 : 安達司法書士.comブログ

2006年03月21日

合資会社を株式会社に組織変更

ホームページのフォームメールから、「新会社法では合資会社から株式会社への組織変更ができると聞いたのですが…」とのお問い合せをいただきました。


そこで、新会社法の目次で合資会社を探してみましたが、どこにも合資会社・合名会社の文字はありません。


それもそのはずです。新会社法では、会社を株式会社と「持分会社」(会社法第3編)に大別しました。そして、その持分会社の中に、合名会社、合資会社及び新会社法で新設された「合同会社」を入れました。


持分会社は、合名会社・合資会社・合同会社の総称ですが、社員が会社債権者に直接責任を負う人的会社のことを意味しません。なぜなら、合同会社は、株式会社同様社員が会社債権者に間接有限責任しか負わない(会社法第576条第4項、第578条、第580条、第914条第5号参照)物的会社ですから…。


持分会社3社の共通点は、内部規律が民法上の組合型(会社法第585条第1項、第590条、第637条参照)ということです。立法者は、この3社の総称を人的会社とは名づけられず、株式(社員持分のひとつ)を発行できない会社ということで「持分会社」と名づけたのでしょうか!?


前置きが長くなりましたが、商法では、人的会社間の組織変更は認められていました(商法第113条、第163条)が、人的会社から物的会社への組織変更までは認められていません。


これが、新会社法での組織変更は、株式会社が持分会社になること、持分会社が株式会社になることを意味します(会社法第2条第26号)。なお、特例有限会社が株式会社になる場合は、単なる定款変更であって、新会社法では組織変更とはいいません(整備法第45条)。


それでは、合資会社から株式会社への組織変更手続について触れます。

  1. 「組織変更計画」を作成し(会社法第743条、第746条)(注)1、総社員の同意を得て(会社法第781条第1項)、必ず債権者保護手続を経る(会社法第781条第2項、第779条)必要(注)2があります。
  2. 債権者保護手続が完了すれば、組織変更計画で定めた「効力発生日」に株式会社となります(会社法第746条第9号、第747条第1項)。
  3. 効力発生日の到来後に、「組織変更による株式会社設立登記」と「組織変更による合資会社解散登記」を同時に申請します(新商業登記法第114条、第107条第2項、第78条第1項)(注)3
  4. (注)1 現行のような純資産額による資本金の額の制限はありません(有限会社法第67条第3項、会社法第746条参照)。

    (注)2 現行では、債権者保護手続を要するのは資本減少を伴う組織変更に限られます(有限会社法第68条参照)。

    (注)3 公告方法が、持分会社の登記事項(会社法第912条第8号から第10号、第913条第10号から第12号、第914条第9号から第11号)になりました。既存の合名会社・合資会社は、職権で公告方法が登記されます(新商業登記法第136条第10項)。

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