安達司法書士.comブログ:発行可能株式総数 - livedoor Blog(ブログ)

2006年05月20日

発行可能株式総数


「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて(通達)」(平成18年3月31日付法務省民商第782号)を基に、発行可能株式総数についてお送りします。

発行可能株式総数

発行可能株式総数は、公開会社にあっては発行済株式の総数の4倍を超えることができないが、この規律は、定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合に適用され、株式の消却又は併合により発行済株式の総数が減少する場合には適用されないとされた(会社法第113条第3項参照)。

株式の消却

会社が自己株式を消却しても、定款を変更しない限り、発行可能株式総数及び発行可能種類株式総数は、減少しない。

株式の併合

会社が株式の併合をしても、定款を変更しない限り、発行可能株式総数及び発行可能種類株式総数は、減少しない。なお、発行可能株式総数の減少に係る株主総会の決議がない場合において、株式の併合の決議の趣旨として当該併合の割合に比例して発行可能株式総数を減少する旨の決議を含むものと解する取扱い(昭和57年11月13日付け法務省民四第6854号法務省民事局第四課長回答参照)は、しないものとする。

株式の分割

会社は、旧商法と同様に、現に2以上の種類の株式を発行している場合を除き、株主総会の決議に代えて、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)により、株式の分割の効力発生日における発行可能株式総数を当該分割の割合に比例した数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる(会社法第184条第2項、第348条第1項、第2項、第362条第2項第1号)。


ここからは若干のコメントをさせていただきます。

発行済株式の総数の4倍制限は非公開会社では旧商法時代から解除されていますが(旧商法第166条第4項)、会社法でもそのまま引き継がれています(会社法第113条第3項ただし書)。

旧商法時代は、株式の消却又は併合により発行済株式の総数が減少する場合には、必ず発行可能株式総数を減少する実務の運用がなされていました。これは、発行済株式数が減少しても、発行可能株式総数を減少しないと、事実上、新株を発行できる枠を拡大したことになるという理由からこのような取扱いがなされていました。今回の通達により従来の取扱いが変更されましたが、発行可能株式総数を縮小する決議を会社がしなかった以上、そこまで法が関与すべきではないということでしょう。

株式分割の際の発行可能株式総数の増加については、旧商法の「株式ノ分割ノ割合ニ応ジテ」(旧商法第218条第2項)が会社法では「割合を乗じて得た数の範囲内で」(会社法第184条第2項)となり、発行可能株式総数の増加の上限を規律していることが明確になりました。


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horiemon3_ at 08:49│Comments(0)TrackBack(0)新会社法:株式 

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