安達司法書士.comブログ:取締役会及び監査役の廃止 - livedoor Blog(ブログ)

2006年06月05日

取締役会及び監査役の廃止


旧商法時代の株式会社は、会社の規模に関係なく、取締役会及び監査役の設置が義務付けられ、取締役の員数も3名以上とされていたので、この要件をクリアするために、小規模の企業にあっては、名目的な取締役及び監査役を置かざるを得ませんでした。

かかる問題を解消すべく、会社法では、定款の万能性を増し、株式会社の運営方法を自ら決定できるようにしました。これにより、非公開会社(株式譲渡制限会社)では、定款を変更して、取締役を1名にすることも可能になりました。

そこで、株式譲渡制限会社において、名目的な取締役及び監査役に退任してもらい、会社の実態に合ったスリムな組織に変更しようというのが、今回のテーマです。具他的には、株主総会において、下記1〜4のとおり定款の変更を行ないます。
1 定款みなし規定による「取締役会を置く旨及び監査役を置く旨の定め」(整備法76②)の廃止
2 定款みなし規定による「株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合の定め(会社法202③Ⅱ)」(整備法76③)の廃止
決議機関を取締役会から原則どおり株主総会へ変更(会社法202③Ⅳ)
3 株式の譲渡制限規定の変更
株式の譲渡承認機関を取締役会から株主総会へ変更(会社法139①)
4 取締役会及び監査役にかかわる条項の削除又は修正
これを機に取締役の任期を伸長(会社法332②)
取締役会設置会社には監査役設置義務(会社法327②本文)があるので、「監査役を置く旨の定め」のみを廃止することはできません。

定款変更が議決されると、監査役は、原則として決議の日(会社法336④機法△垢任貿ご満了していれば満了日をもって、自動的に退任します。一方、在任中の名目取締役は、自動的に退任することはありませんので、総会開催日をもって、辞任してもらうことになります。

また、取締役会が廃止されると、取締役の各自代表の原則(会社法349②①本文)が復活し、代表権が制限されていた取締役にも代表権が付与されます。したがって、代表取締役1名の現体制を維持するためには、現代表取締役を取締役の互選等(会社法349③)により再選することが必要です。もちろん、代表取締役を除く他の取締役全員が辞任すれば、代表取締役の再選は不要です。

登記すべき事項は次のとおりです。
1 「株式の譲渡制限に関する規定」《株主総会開催日》変更
2 「取締役」《株主総会開催日》辞任
3 「監査役」《株主総会開催日》退任
4 「取締役会設置会社の定め」《株主総会開催日》廃止
5 「監査役設置会社の定め」《株主総会開催日》廃止
残った取締役が複数名いて、現代表取締役を再選した場合でも、代表取締役の重任登記は不要です。

最後になりましたが、これらの登記の登録免許税は金7万円(資本金の額が1億円超ならば金9万円:登録免許税法別表第一第24号(一)ワ、カ、ツ)になります。


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horiemon3_ at 17:39│Comments(1)TrackBack(0)新会社法:機関 

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この記事へのコメント

1. Posted by 石川   2006年06月22日 23:02
とても有益でわかり易い解説ありがとうございます。
1、現在公開会社ですが6月末で譲渡制限の定めを設定し、同時に取締役会設置の定め廃止と監査役設置の廃止を考えております。この場合、登記上は監査役は平成18年5月1日退任、平成18年6月30日監査役設置会社の定め廃止で宜しいでしょうか。(一度後任者を選任する必要はありますか)
2、公開会社の監査役が後任者を選任されず権利義務を引継ぐ場合は、会計監査のみでしょうか。それとも業務監査も与えられるでしょうか。ご回答いただけると幸いです。

石川 様
コメントありがとうございます。
1.貴見のとおりと考えます。ちなみに、後任者選任の必要はありません。
2.公開会社である以上、原則どおり業務監査権限が与えられると考えます(整備法53、会社法389・336き兄仮函法

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