安達司法書士.comブログ:代表取締役改選時の印鑑証明書 - livedoor Blog(ブログ)

2006年08月28日

代表取締役改選時の印鑑証明書


会社法における代表取締役とは、各自代表の場合を含め、株式会社を代表する取締役をいい(会社47①)、取締役会の設置の有無によって、代表取締役の選定方法は異なります。ちなみに、特例有限会社は、実体は株式会社ですが、原則旧有限会社の制度を維持することを前提としているため、取締役会を置くことはできません。

取締役会非設置会社の代表者変更登記について詳しくはこちら

商業登記規則中、取締役・代表取締役の印鑑証明書の添付について規定する条項も、旧商法時代は株式会社と有限会社とに分けられていましたが、次のとおり取締役会の設置の有無による規定に変わりました。
 
商業登記規則第61条(一部抜粋)
設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑についても、同様とする。
取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と、同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。
代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
1 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
2 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合 取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
3 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合 出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑

代表取締役改選時の印鑑証明書の添付について規定する上記条項ですが、一度読んだだけでは分かりにくいですね。そこで、取締役会の設置の有無によって、分かりやすくチャート図化してみました。

取締役会設置会社ですか?
変更前の代表取締役は、
取締役として残りますか?
変更前の代表取締役は、
取締役として残りますか?
【議事録の押印】
変更前の代表取締役は会社実印代表取締役は個人実印、その他の取締役及び監査役※は認印
【議事録の押印】
出席した取締役及び監査役※は個人実印(商登規61⑥Ⅲ)
【議事録等の押印】
変更前の代表取締役は会社実印代表取締役は個人実印、その他の取締役は認印
【議事録等の押印】
取締役全員が個人実印(商登規61⑥Ⅰ、Ⅱ)。なお、末尾「この記事へのコメント」中、
2013年07月22日付コメント参照。
【印鑑証明書の要否】
代表取締役の印鑑証明書
【印鑑証明書の要否】
上記押印者の印鑑証明書
【印鑑証明書の要否】
代表取締役の印鑑証明書(印鑑届書に添付)※
【印鑑証明書の要否】
上記押印者の印鑑証明書
※監査役の監査の範囲を会計に限定する旨の定款規定がある会社の監査役を除く(会社389⑦①、383)。
新任取締役が就任した場合は、当該取締役は個人実印を押印し、印鑑証明書を添付する(商登規61④後段)。

なお、取締役会設置会社における株主総会議事録に押印する印鑑については、商業登記規則による制約を受けることがないので、議事録作成者の印鑑だけでも構いません。ただし、定款に議事録についての規定があればそれに従います。

平成28年10月1日付け商業登記規則の一部改正に対応2016.09.30更新)。


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この記事へのコメント

1. Posted by さとう たつみ   2007年06月19日 22:10
3 はじめましてこんばんは。
仙台のとある中小企業の総務をやっております。私今期より登記を任されており、いろいろと苦労しております。
簡潔に…
チャート図にある、「※監査役の監査の範囲を会計に限定する旨の定款の定めがある会社の監査役を除く(会社389Л 383)。」というコメントですが、これは監査役が出席した場合は議事録に認印でよいということでしょうか。理論は「389条7項により、当該監査役は取締役会への出席義務が無く、たとえ出席したとしてもそれは押印義務の無いものなので登記官の審査の対象とならない。(代表取締役も取締役も退任した前代表取締役が、後任の代表を決める取締役会議事録に法人実印を押したという場合と同じ)」ということでよろしいのでしょうか。近々に同じケースのことが弊社にてあるものですから。よろしくお願いいたします。

さとう たつみ 様
コメント有難うございます。
監査権限を限定された監査役は、取締役会への出席義務はないので、取締役会に出席しない(議事録上!?)のが一般的です。出席していない以上、当然記名押印はありません。※は、それを注意的に記したものです。したがって、当該監査役が取締役会に出席すれば、通常の監査役同様、取締役会議事録への記名押印が必要になります(会社369)。
ちなみに、当該監査役の押印が、「登記官の審査の対象とならない」ことはありません(^_^;)
   --安達司法書士--
2. Posted by さとう たつみ   2007年06月21日 08:30
4
ありがとうございました。
※はそういう意味だったのですね。
わかりました。押印の部分は法改正で変わりましたね。
3年前に代表取締役変更の取締役会議事録には出席監査役は認印を押したものですから…。前例踏襲は気をつけないといけませんね。
これからも精進いたします。
ありがとうございました。
3. Posted by かほ   2013年07月22日 15:07
代取を選び直すとき、取締役として残らなければ必ず全員印鑑証明がいると思っていましたが、取締役会非設置会社の株主総会で旧代取が辞任し新代取を選任する場合は、旧代取が会社印を押印すれば新代取以外は認印でも構わないですよね。

かほ さん
お尋ねの件ですが、貴殿の仰るとおりです。
ちなみに、株主総会で選定された代表取締役は、自らの意思で代表取締役のみを辞することはできません。会社の承認が必要となります。
   ---安達司法書士---


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