2006年09月08日
電子定款のメリットって…
検索エンジンで「電子定款」あるいは「電子定款認証」を検索すると、行政書士さんのWebサイトが数多くヒットします。これらのサイトはどれも、「電子定款を利用することで4万円節約
」、「通常必要な定款の印紙代4万円が不要」というキャッチフレーズで溢れています。それでは、電子定款の具体的な作成方法についてご紹介します(下記図参照)。
「定款」とは、株式会社設立時の定款(原始定款)をいいます。なお、持分会社の原始定款は、認証の必要がありません。
- 紙ベースの定款同様、ワープロソフトで定款を作成
- Adobe Acrobatを使ってPDF形式のファイルに変換
- 署名プラグインソフトを使い、日本認証サービス株式会社から取得した電子証明書を付加する形で電子署名
司法書士の場合は、司法書士用電子証明書「日本司法書士会連合会認証サービス」を使用 - 作成済みのPDFファイル文書をフロッピーディスクに入れて、指定公証人がいる公証役場に持参
司法書士に依頼する場合は、発起人からの委任状(印刷した電子定款を合綴)と発起人の印鑑証明書が必要
インターネットでの嘱託は一切できず、必ず役場の窓口へ出向く
| この記事を書いた当時は、公証人役場にデータを入力したフロッピーディスクを提出して嘱託をしていましたが、平成19年4月からは、法務省オンライン申請システムを経由して嘱託を行なうように変更されました。また、住民基本台帳の情報に基づいて発行される「公的個人認証サービス」における電子証明書が、新たに利用可能となりました。 | |
詳しくはこちらへ(2007.4.7追記) |
すでにお分かりかと思いますが、電子定款は、印紙税法上の課税物件の「文書」に当たらないため、印紙税が課税されることはありません。したがって、収入印紙代4万円が節約できるのです。しかし、電子定款を作成するためのAdobe Acrobat、署名プラグインソフト及び電子証明書などの環境を整えようとすると、最低でも収入印紙代の倍近くの費用がかかることを忘れてはいけません。それだけの投資をしても、司法書士や行政書士の場合は、電子定款に対応していることが一つのセールスポイントになり得ますが、一般の方にとっては、電子定款のメリットを享受できないのが現状です。ちなみに、当事務所も電子定款に対応しています

結局、最も利益を享受できるのは、システム開発会社とソフト開発会社ではないでしょうか。電子公証システムはできても、それは決して広く国民が利用しやすいシステムではありません。そういえば、「外務省は8月22日、インターネット経由でいつでもパスポートを申請できる「旅券電子申請システム」を平成19年度から停止することを決めた」なんてニュースがありましたっけ…
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