吸収分割2 : 安達司法書士.comブログ

2007年01月27日

吸収分割2

前回に引続き、吸収分割において、実務上留意すべき事項についてお送りします。


分割の届出制度
独占禁止法は、一定の要件に該当する会社分割については、公正取引委員会への事前の届出並びに届出受理日の翌日から起算して30日間の会社分割禁止期間を定めています(独禁法15条の2参照)。仮に、その禁止期間満了日が吸収分割の効力発生日を過ぎてしまうと、分割当事会社の取締役会において、効力発生日の変更が必要になります(会社790条参照)。


効力発生日変更公告

 当社は、平成19年4月1日予定の吸収分割の効力発生日を平成19年5月1日に変更いたしましたので公告します。

 平成19年3月26日


添付書面の様式

ファイル資本金の額が会社法の規定に従って計上されたことを証する書面(商登85条4号)

 吸収分割承継会社が承継する財産を時価で受け入れる方法(パーチェス法)が適用される場合

ファイル異議を述べた債権者がいない旨の上申書(商登85条8号)

 公告を、官報+定款の定めに従い時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又はHPにした場合


経由申請と分割会社の商号変更
経由申請とは、『本店所在地における分割会社がする吸収分割による変更の登記の申請は、承継会社がする吸収分割による変更の登記の申請と同時にしなければならず、当該登記所の管轄区域内に承継会社の本店がないときは、承継会社の本店所在地を管轄する登記所(以下「承継会社管轄局」という。)を経由してしなければならない(商登874条1項2項)。』というものです。

それでは、分割会社が、吸収分割契約承認総会において、会社分割の効力発生日と同時に定款中商号を変更する決議をした場合、その商号変更登記についても経由申請するのでしょうか。経由申請は、言うまでもなく会社分割登記における特則ですから、商号変更登記については、原則どおり分割会社の本店所在地を管轄する登記所(以下「分割会社管轄局」という。)に申請することになります。


むしろ問題となるのは、商号変更登記の申請時期でしょう。例えば、効力発生日に、承継会社管轄局に吸収分割による変更の登記を申請し、同日に、分割会社管轄局に商号変更登記を申請したとします。この場合、分割会社管轄局での商号変更登記完了後に、承継会社管轄局から吸収分割による変更登記の申請書が到着すると、分割会社管轄局では「該当する会社が見当たりません」という無用な混乱を招きかねません。

したがって、分割会社管轄局において、吸収分割による変更登記の申請書の到着を確認してから、商号変更登記を申請すべきでしょう。

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