株券不発行(改定) : 安達司法書士.comブログ

2007年07月06日

株券不発行(改定)

平成16年10月1日施行の改正商法で「株券不発行制度」が導入され、全ての株式会社は定款に定めることにより、株券を発行しないこと(ペーパーレス=「株券廃止会社」といいます。) ができるようになりました(旧商法227条1項)。また、譲渡制限会社については、株主からの請求がない限り、株券の発行を要しないこととされました(旧商法226条1項但書)。これらは、株券発行のコスト削減を求める実務界の要請と、日本の企業の大多数を占める中小企業が株券を発行していない実態に対応したものです。


会社法では、その趣旨をさらに進め、定款で株券を発行する旨(この定めがある株式会社を「株券発行会社」といいます。)を定めない限り、株券を発行しなくてもよいこととされました(会社214条)。非公開会社(会社2条5号参照)では、株券発行会社であっても、株主から請求があるまでは株券を発行しないことができる(会社215条4項)点は、前記旧商法の規定に準じています。


株券を発行する旨の定め


会社法においては、株券不発行が原則になっていますが、旧商法時代の既存の株式会社(株券廃止会社を除く。)は、株券発行会社とみなされ、登記官の職権により、「株券を発行する旨の定め」の登記がなされました(整備法76条4項、136条12項3号)。そのため、上場会社を除くそれらの会社を株券不発行会社とするには、株主総会の特別決議をもって、株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をし、会社法218条の手続を経て、株券を発行する旨の定めの廃止登記をする必要があります。登記手続については、下記チャート図をご覧ください。

登記事項証明書に「株券を発行する旨の定め」欄があるか?

発行済株式(一部を含む)につき、現実に株券を発行しているか?

YES

NO

A

B

C

A 株券発行会社

【会社法218条1項による公告等】
定款変更の効力発生日の2週間前までに公告・株主等への個別通知(注)1
【添付書類】
1.株主総会議事録
2.定款変更公告掲載紙
3.株主リスト(商登規61条3項)(注)2

B 準株券廃止会社

【株券提出公告等】
定款変更の効力発生日の2週間前までに株主等への個別通知(公告に代えることが可能
【添付書類】
1.株主総会議事録
2.株主名簿
3.株主リスト

C 株券不発行会社

手続き不要


(注)1  株主総会開催日の2週間前までに公告・通知を行なえば、開催日を効力発生日(=株券廃止期日)とすることもできます。なお、株券廃止期日をもって株券は無効になりますが、廃止された株券を回収する必要はありません。

   株券不発行会社へ移行すると、株式の併合や合併(消滅会社に限る。)・株式交換などの組織再編行為において、株券の提出公告等の手続が不要になります(会社219条1項ただし書)。


   株券不発行会社への移行は株式会社の任意となっていますが、証券取引所に上場している株式会社については、平成21年1月5日をもって株券が一斉に電子化され、すでに株券不発行会社となっています。

(注)2  平成28.10.1付商登規則の一部改正に対応しました。

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