安達司法書士.comブログ:解散・清算人選任 - livedoor Blog(ブログ)

2007年08月12日

解散・清算人選任


会社法施行から1年余りが経過しましたが、未だに旧法からの頭の切り替えが出来ていない方(自分もか…)が多いのではないでしょうか。とりわけ、清算会社は、機関構成が簡素化されただけでなく、株式会社における清算人の登記事項(会社928条1項)が変更された一方で、特例有限会社の登記事項は従来どおりとされましたから、なおさらです。以下、清算人を株主総会で選任する一般的な場合をベースに、清算会社の機関についてまとめました。

清算会社の株主総会以外の機関
清算会社の清算人は、1人以上で足りますが、清算人会設置会社においては3人以上でなければならないとされました(会社477条1項、478条6項、331条4項)。
清算開始時の取締役が清算人になる場合(会社478条1項1号、一般に「法定清算人」といいます。)において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人になります(会社483条4項)が、清算人会の設置は強制されません(次項参照)。
清算会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができ、清算会社においても、機関設計の柔軟化が図られていますが、解散前の株主総会以外の機関の設置の規定は、清算会社については、適用はないとされました(会社477条2項、6項)。
特例有限会社が清算会社となった場合には、定款の定めにより監査役を置くことはできますが、清算人会又は監査役会を置くことはできません(整備法33条1項)。
一定の機関の設置義務がある場合があります。
1 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算会社は、清算人会を置かなければならない(会社477条3項)。
2 清算開始時に公開会社又は大会社であった清算会社は、監査役を置かなければならない(会社477条4項)。
清算会社の監査役については、任期の適用がないとされました(会社480条2項、336条)。また、監査役会を置く旨の定款の定めを廃止すれば、大会社であっても監査役は1名で足ります(会社477条2項、4項、6項)。さらに、非公開会社(清算開始時に大会社であった清算会社を除く。)においては、監査役を置く旨の定款の定めを廃止すれば、監査役も不要になります(会社480条1項1号)。

株主総会決議で解散、清算人1名選任の場合(株式会社)
 【OCR用申請用紙記載例】
「解散」
《株主総会開催日》株主総会の決議により解散
「役員に関する事項」
「資格」清算人
「氏名」法務太郎
「役員に関する事項」
「資格」代表清算人
「住所」大阪市中央区谷町二丁目1番1号
「氏名」法務太郎
特例有限会社の清算人の登記事項は、従来どおり、清算人の氏名及び住所、代表清算人がある場合にはその氏名(清算人1名の場合は当然除かれます。)とされています(整備法43条2項)。

 【登記記録例】

 【添付書面】
1 株主総会議事録(商登46条)
2 定款(同法73条1項)
3 就任承諾書(同法73条2項)
特例有限会社の清算人が株主総会又は裁判所により選任された場合には、定款の添付は要しないとされています。これは、清算人登記の定款添付(商登73条1項)の趣旨は、 定款における清算人会設置の定めの有無を確認するためですが、特例有限会社においては、前記のとおり清算人会を置くことはできないからです。ちなみに、添付すべき定款は、会社法に適合すべく所要の整備が行われたものである必要はありません。

 【登録免許税】
3万9000円(登録免許税法別表第一第24号(一)ソ、(四)イ)


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この記事へのコメント

1. Posted by 武田 周二   2008年06月26日 16:55
「解散・清算人選任」のカラムを拝読したのですが、『非公開会社(清算開始時に大会社であった清算会社を除く。)においては、監査役を置く旨の定款の定めを廃止すれば、監査役も不要になります(会社480条1項1号)。』とありますが、仮に、清算開始の時点で、監査役を置かなくした場合、解散事業年度の監査役監査も実施する必要がなくなると理解していいでしょうか?
お尋ねします。

武田 周二 様
コメントありがとうございます。
お尋ねの件ですが、監査役は、監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更の効力が生じた時に退任するとされています(480条1項1号)。したがって、当該監査役は、解散事業年度については義務を履行する必要があると考えます。
   ---安達司法書士---
2. Posted by 武田 周二   2008年06月30日 11:51
4 早速にご回答くださり、ありがとうございます。厚かましいのですが、480条1項1号の意味について、再度、お尋ねします。
大会社でない取締役会設置会社(監査役設置義務あり)が、株主総会の決議により解散&清算することとなった場合を想定しています。
「監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更の効力が生じた時」というのは、定款変更の株主総会決議が成立した時点になると思います。
そして、その時点は解散事業年度終了後であり、監査役はその時点までは設置されていることから、その間(解散事業年度終了から定款変更の株主総会決議まで)に解散事業年度の義務を履行するべきである、という理解でよろしいでしょうか?

武田様のご意見を拝読していて当方の回答の誤りに気付きました。
解散決議と同時に監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更を行った場合、当該監査役は解散総会終結時をもって退任し、武田様の最初のご意見のとおり、「解散事業年度の監査役監査は実施する必要がなくなる」と考えます。以上のとおり訂正させていただきますm(__)m
   ---安達司法書士---
3. Posted by 武田 周二   2008年07月03日 12:51
5 度々のご回答、ありがとうございました。
これで、理解することができました。
4. Posted by りんご   2008年09月08日 20:45
2. Posted by 武田 周二 2008年06月30日 11:51の件について

はじめまして。上記の件でお伺いいたします。よろしくご指導願います。

解散および清算人選任と同時に、定款変更により監査役の定めを廃止して監査役も退任した場合、登記理由と登記事項及び登録免許税はいくらになるのですか?

登記理由
_鮖
∧神0年0月0日清算人(及び代表清算人の選任〜一人でも代表清算人?) 
D蟯省儿垢砲茲覺萄彩鮴瀉屬猟蟯召猟蠅瓩稜兒

登記事項
_鮖
∧神0年0月0日清算人 A 及び代表清算人 A の就任
取締役 A 取締役 B 取締役 C 退任
つ蟯省儿垢砲茲蟯萄彩鮴瀉峅鮟 及び監査役 D 退任

登録免許税
金79,000円
内訳 解散3万円
   登記事項変更3万円(監査役設置解除)
   監査役変更1万円
   清算人  9千円

これでいかがですか?よろしくご教示願います。


りんご さん
コメントありがとうございます。
お尋ねの件ですが、次のとおりです。

登記の事由
_鮖
◆堊躄餝催日》清算人選任 
4萄彩鮴瀉峅饉劼猟蠅瓩稜兒澣擇售萄彩鬚諒儿

登記すべき事項
 堊躄餝催日》株主総会の決議により解散
∪胸賛諭。繊代表清算人 住所 A
 ※1就任年月日は必要ありません。
 ※2清算人1名でも「代表清算人の氏名及び住所」は必須事項
  (有限会社を除く)
 ※3取締役に関する事項は職権抹消(商登規72条1項1号)
「監査役設置会社に関する事項」《総会開催日》廃止
 監査役 D《総会開催日》退任

登録免許税
 貴見のとおりです。

   ---安達司法書士---

5. Posted by りんご   2008年09月10日 00:45
5 早速のお返事ありがとうございます。
即戦的な回答で大変参考になりました。感謝いたします。

図々しく、もうひとつお伺いしてもよろしいですか?

定款の「取締役会」について。
会社法では、監査役を廃止しても、取締役会がある時は、監査役又は会計参与を設置しないといけない機関設計になっています。しかし、清算会社には取締役会は存在しなくなり、監査役の廃止をしてもいいのかなと思いました。監査役の廃止に伴い、取締役会は当然に廃止でしょうか。

安達:『解散前の株主総会以外の機関構成は、清算株式会社には適用されず、公開会社及び大会社を除いて、定款を変更すれば監査役は不要になります(会社法477条2項4項6項、480条1項1号)。なお、監査役の廃止にかかわらず取締役会はなくなります(商登規72条1項1号)。』

閉鎖会社の譲渡制限の承認が「取締役会」の時は、それを、たとえば「株主総会」の承認と変更しないといけないものなのでしょうか??(商事法務 松井信憲著『商業登記ハンドブック』2007年6月1日初版491項では、「見直さなければならない」と記述されているようですが。)そうであるとすると、これは登記事項変更になりますか?(¥追加3万円?否、全部まとめて記載事項変更ですか?)

安達:『譲渡制限規定の変更の要否については、実務上の取扱いは「変更することが望ましい」に止まっており、譲渡制限規定の変更をせずに解散・清算人選任登記を申請することができます。当方では、株式譲渡の承認機関を「株主総会」と変更し、「取締役・取締役会」の章を削除する等、解散に伴い定款を変更するよう勧めています。登録免許税については登記事項の変更ですから、監査役の廃止と一緒に行えば別途必要ありません。』


りんご さん
コメントの字数制限の関係上、勝手ながら一部編集させていただきました。ご了承ください。
   ---安達司法書士---
6. Posted by りんご   2008年09月10日 21:24
5 安達司法書士様、こんばんは。
先ずは、前回の冗長なお問い合わせをお詫びします。

その上、この度も早速にご回答をいただきましてありがとうございます。超速の対応に、重ねて感謝御礼いたします。

解散の登記申請は、テキストを読んでも、実務上の扱いがよくわかりませんでしたが、お陰様で疑問が解消しました。ありがとうございました。
感謝にて。

7. Posted by りんご   2008年09月13日 15:23
安達司法書士様、こんにちは。

前回はお世話になりました。ありがとうございました。

すみませんが、もう一つお聞きしたいことがあります。宜しくお願い致します。

監査役の定めの廃止の件。
前回の回答において、登記事項の登録免許税について、「監査役の定めの廃止」と「譲渡制限の機関の変更」の、『登録免許税については登記事項の変更ですから、監査役の廃止と一緒に行えば別途必要ありません。』ということでした。

そこで。
通常の営業年度において、監査役設置会社が取締役を1名にする登記について、お聞きします。この場合において、登録免許税は、取締役会の機関廃止と監査役廃止の2件の登記事項変更と役員変更で7万円になるのですか?それとも、まとめて1件で4万円でよかったのですか?

会社法施行時に、取締役1名体制として、監査役を廃止したかったのですが、2つの機関の廃止だと6万プラスαだと思い、機関変更しなかった経緯があります。

すみませんがよろしくご教示をお願いいたします。


りんご さん
7万円になります。取締役会の廃止の場合は、次の規定により3万円加算されます。

 登録免許税法別表第一第24号(一)ワ:「取締役会、監査役会(注:「監査役」ではありません!)又は委員会に関する事項の変更の登記」 申請件数1件につき3万円
   ---安達司法書士---
8. Posted by りんご   2008年09月15日 22:40
5 安達司法書士様。こんばんは。

早速のご回答ありがとうございました。
大変よく理解できました。

丁寧にご回答いただきまして、心から感謝御礼いたします。
ありがとうございました。



9. Posted by たく   2009年06月03日 01:50
そっごくわかりやすく参考になりました。
代表清算人についてですが、一人の場合どうして株式会社は必須で特例有限会社は必要ないのですか?

法務局に聞いても正確な回答が得られませんでした。
教えてください。


たく さん
コメントありがとうございます。
早速お尋ねの件ですが、

まず誤解があってはいけないので説明しますが、清算人が一人の場合、有限会社であろうがなかろうが代表清算人を選任することはできません。一人清算人は、清算会社を当然代表するからです(会社法483条参照)。

それでは、なぜ一人清算人の登記において、株式会社では「清算人」+「代表清算人」、有限会社では「清算人」のみと、会社によって異なる登記事項が規定されている(会社法928条、整備法43条2項)のでしょうか。それは、有限会社は特例法によって存続しているに過ぎない会社ですから、立法担当者は、あえて有限会社に旧法の登記事項をそのまま踏襲させたのでしょう。
   ---安達司法書士---
10. Posted by 加藤丸八   2010年03月15日 11:40
取締役会及び監査役設置会社の譲渡制限会社で、一人清算人を選任した場合の代表清算人の選任については、株主総会議事録での清算人の就任で当然に代表清算人に就任すると解してよろしいでしょうか?又は一人清算人会の議事録を要するのでしょうか?

加藤丸八 さん
コメントありがとうございます。
一人清算人の場合、当該清算人は清算会社を当然代表します(会社法483条参照)。
したがって、申請書には株主総会議事録・定款を添付すれば足ります。
   ---安達司法書士---
11. Posted by あん   2010年03月16日 15:05
大変参考にしております。ところで、取締役会及び監査役設置会社の譲渡制限会社(取締役会の承認を要する)が解散に伴い定款を変更して承認機関の変更登記も同時にすべきでしょうか及び登録免許税金はどのようになるのでしょうか?

あん さん
コメントありがとうございます。
ご質問につきましては、
本コメント欄5(Posted by りんご)をご覧ください。
譲渡制限規定を変更した場合の登録免許税は、解散:3万円、清算人:9000円、
プラス3万円(別表第一第24号(一)ソ、ネ、同号(四)イ)になります。
   ---安達司法書士---
12. Posted by あん   2010年03月16日 22:37
ありがとうございます。
本コメント欄5は、必須ではないと捉えていましたので、最近の登記研究708号P177との兼ね合いは、どのようになるのでしょうか?。

あん さん
中途半端な回答でしたねm(__)m
あんさんご紹介の質疑応答は、筋論としてはそのとおりです。
ただ、実務では、解散、清算人選任による登記のみを申請しても、
補正扱いにしない(消極的是認)こととなっています。
当方が受験生であれば、迷わず質疑応答の要旨に従うのですが…
   ---安達司法書士---
13. Posted by もも   2010年06月14日 10:47
安達先生はじめまして、ももといいます。
清算人会について、会社法では、定款に記載のある場合に設置できるということですが、会社法施行まえに既に資本金未達成により解散していた会社についても、現在の会社法が適用され、定款に定めのない場合には清算人会を設置しないことも可能なのでしょうか??

また、同様に、監査役設置会社の旨の廃止についても可能かどうか、旧法との関係からわからなくなってしまいました。

よろしくご教示お願いします。


もも さん
コメントありがとうございます。
具体的な状況が今ひとつ理解できないので、断定的なことはいえませんが、
整備法においては、清算人会についての定款のみなし規定が設けられていません。
したがって、定款に定めない限り清算人会を設置する必要はないと考えます。
監査役設置会社の旨の廃止についても、株式譲渡制限会社であれば可能であると考えます。
   ---安達司法書士---

14. Posted by もも   2010年06月15日 09:44
さっそくのお返事、ありがとうございます。
質問をうまくまとめられず、言葉足らずの質問、大変失礼いたしました。

整備法108条、株式会社の継続及び清算に関する経過措置では、会社法施行前に解散した会社は「なお従前の例による」となっているため、会社法施行前に資本金未達成によりみなし解散となっている会社について、旧商法の規定が適用されるとすると、解散時の取締役が清算人となり、かつ清算人が複数いる場合は清算人会の設置が義務づけられてしまうのではないかと思ったのですが、いかかでしょうか?

たびたびの質問で申し訳ありませんが、よろしくご教示いただけたらうれしく思います。

もも さん
貴方のおっしゃるとおり、整備法108条の規定により、解散時の取締役が清算人に、代表取締役が代表清算人に就任するものと考えます(旧商法417条)。ただし、清算人会の設置については、登記事項であるにもかかわらず、整備法において何らの手当てもなされていない以上、定款に定めない限り清算人会設置会社の登記を申請する必要はないと考えます。
   ---安達司法書士---
15. Posted by もも   2010年06月16日 09:52
ありがとうございます。
度々の質問に早急、またわかりやすく答えてくださって、非常に参考になりました。
本当にありがとうございました。

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