安達司法書士.comブログ:オンライン申請システムは必要?! - livedoor Blog(ブログ)

2007年10月06日

オンライン申請システムは必要?!


平成19年度税制改正で、登記の電子申請に係る登録免許税の税額控除が創設されます。これにより、平成20年1月1日から平成21年12月31日までの間に法務省オンライン申請システムを使用して、”堝飴困僚衢権の保存若しくは移転登記又は(根)抵当権の設定登記、株式会社等の設立登記の申請を行った場合には、その登記に係る登録免許税額の10%に相当する額(5,000円を限度とします。)が控除されます(新租特法84条の5)。これは、内閣府の要請を受けた法務省が、平成22年までにオンライン利用率50%以上とする目標を達成するために、本年4月から登記事項証明書の手数料1,000円を、インターネットでの請求に限り700円に値下げしたことに続いて、登記申請手続についても同様の措置をとることになったものです。

8月28日に開催された自民党登記オンラインプロジェクトチームに提出された「オンライン利用の現状」によると、平成18年4月から平成19年3月までの利用率は次のとおりです。
不動産登記手続(数字は左から、「完全オンライン件数」・「申請件数」・「利用率」の順)
   564÷5,540,929=0.01%
商業・法人登記手続(数字は左から、「オンライン件数」・「申請件数」・「利用率」の順)
   49,112÷1,482,567=3.31%
登記事項証明書等の交付請求(なぜ値下げ措置後の数字を公表しない
   不動産登記:0.007%  商業・法人登記:0.07%

この点、財務省主税局の担当官は、本改正の趣旨を次のように述べています。『一般に、オンライン申請を行うには公的個人認証(1,000円)を取得する必要があること、不動産登記については大部分が司法書士による申請がほとんどであること、一般の個人が不動産登記の必要な不動産の権利移転(売買など)を行うのは一生に1回程度であること等から、登録免許税の軽減が登記申請人を通じたオンライン登記申請の普及に直接つながるとは考えにくいところです。 しかし、オンライン申請により登録免許税の軽減が受けられるのであれば、登記申請人はオンラインの利用可能な司法書士に登記申請を依頼しようとするものと考えられ、他方、司法書士はより多くの依頼を受けようと積極的にオンライン申請のための環境整備を進め、登記申請人を代理して反復継続してオンライン登記申請を行うようになると考えられます。その結果、登記申請の大多数を担う司法書士の多くがオンライン登記申請に慣れることとなり、ひいてはオンライン申請の利用拡大が図られることになるものと考えられます。』

手っ取り早く利用率という数字を上げるには、司法書士を狙い撃ちするのが一番効果的ということでしょう いかにも頭のいい財務官僚らしい発想です。

そもそもオンライン申請は、「法務局の窓口に出向くことなく、自宅やオフィスなどからインターネットによる登記申請が可能」という理念で始まったものですが、商業・法人登記手続においては、利用率の拡大を第一義に考え、添付書面別送方式(「半ライン申請」ともいい、登記申請書をオンラインに乗せ、添付書面は別途法務局の窓口に持参若しくは郵送します。)という特例措置を認めています。

商業・法人登記手続のオンライン利用率を見ると、「郵送申請」ではなく、半ライン申請を利用している方も結構いるようですね(そのために、単位会でオンライン申請研修を行っているのですから

これが、前記税制改正と共に不動産登記手続にまで拡大されます。つまり、オンライン申請の実態は、導入時の理念とはかけ離れたものとなりつつあるのです。確かに、今回の減税措置等により、一時的にオンライン利用率は高まるでしょう。しかし、そのような措置を講じなければ利用されないシステムそのものに問題があるのであって、そのようなシステムのランニングコストを税金で穴埋めしてまで継続する必要があるのでしょうか。もちろん、途中で運用を中止しても業者から残債を請求されるのでしょうが…

今は、「無用の長物」のレッテルを貼られた、外務省の電子申請旅券システムの二の舞にならないことを願って止みません。

不動産登記の半ライン申請(平成20年1月15日からです)については、司法書士が電子署名した登記申請情報とスキャニングによるPDF化した登記原因証明情報(電子署名不要)を送信し、添付書面は委任状を含めて、申請の受付の日から2日以内(初日不参入)に法務局の窓口に持参若しくは郵送することになります。


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この記事へのコメント

1. Posted by canshake   2007年10月15日 20:32
8月28日に開催された自民党登記オンラインプロジェクトチームに提出された「オンライン利用の現状」によると・・・とありますが、よかったら、出展を教えてくださいますか?


下記アドレスのページをご覧ください。
http://www.shimazaki-net.jp/new/jimin-online-PT/jimin-online-PT.html
資料は、このページの「自民党・登記オンラインPT報告(初会合)」中、
「次第・法務省資料」をクリックしてください。
   ---安達司法書士---
2. Posted by shima   2007年10月16日 09:27
情報ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

shima さん
こちらこそ有難うございます。
   ---安達司法書士---

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