安達司法書士.comブログ:不動産取引とオンライン申請 - livedoor Blog(ブログ)

2008年06月17日

不動産取引とオンライン申請


先月末のことですが、以前からお付き合いのある会社から「事業用地を購入するので手続きをお願いしたい」との電話が入りました。取引対象物件(以下「本件土地」といいます。)は、売買契約後に合筆されて1筆の土地となったもので、登記所から合併による所有権登記の登記識別情報が通知されています。また、本件土地に設定されている根抵当権についても登記所から登記識別情報が通知されています。ちなみに、今回は金融機関の担保設定はありません。以上の内容から、「できるだけ早い時期に登記識別情報を提供してのオンライン申請を経験しておきたい」との思いも相まって、今回は迷わずオンライン申請を選択しました。もちろん、オンライン申請システムの障害に備えて、すぐに書面申請に切り替えられるように準備しておいたことは言うまでもありません。

登記識別情報というのは実は厄介な代物で、登記名義人はいつでも登記識別情報の失効の申出をすることができます(不登規則65条)。しかも、登記識別情報の有効性は登記所にしか判定できません。そのため登記識別情報に関する有効証明制度が設けられているのですが、この確認作業は法務局職員を介して行われるので(実にアナログな作業です)、回答が返ってくるまでにそれなりの時間(今回は約30分)がかかります。不動産取引を迅速かつ円滑に進めるためには、代金決済前に登記義務者である売主や金融機関から登記識別情報の提供を受けて有効証明請求(画像参照)を行う必要があります。
― 画像をクリックすると拡大表示されます ―
【識別情報有効請求】 【識別情報有効証明】

しかし、登記義務者は代金決済前に情報を開示するリスクへの懸念から、登記識別情報の事前提供を拒むケースも少なくないと思われます(幸い今回は事前提供に応じていただけましたけど…)。そのような場合は、登記識別情報を提供することができない正当理由である「登記識別情報を提供したとすれば当該申請に係る不動産の取引を円滑に行うことができないおそれがある場合」(不登準則42条1項5号)に該当するとして、登記識別情報に代えて司法書士による本人確認情報を提供せざるを得ないでしょう。取引決済現場にインターネット環境を備えたノートPCを持ち込み、「登記識別情報提供様式」を作成(作成方法はこちらへ)・添付してそこから送ることも考えられますが、物件または登記名義人が複数存在する場合はこれらの作業にかなりの時間を奪われることになり現実的ではありません。

ここからは、登記識別情報を提供してオンライン申請する際の留意事項について少々触れます。なお、参考までに本件申請情報を末尾に掲げておきます。
登記識別情報の提供は、登記識別情報の有効証明請求を行う際に作成した登記識別情報提供様式を申請情報に添付して送信します。登記識別情報通知書を郵送ないし持参する方法での提供は認められません。
登記識別情報提供様式に行う電子署名は代理人の電子署名で足りますが、登記義務者の委任状には「登記識別情報の暗号化に関する一切の権限」を必ず記載します。
登記識別情報通知書の交付を申し出る場合は、申請情報のその他の事項欄に「登記所における登記識別情報通知書の交付を希望します。」と入力します。
連件申請の送信方法についてはこちらをご覧ください。
申請データ送信後、当該データを削除または上書き保存すると、補正情報を送信できなくなるので注意が必要です。
― 画像をクリックすると拡大表示されます ―
1件目 2件目
【根抵当権抹消申請情報】 【所有権移転申請情報】


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この記事へのコメント

1. Posted by    2008年10月24日 10:10
初めまして!ブログ読ませて頂きました!
面白かったです!これからも良いブログを書いていって下さい☆
期待してます!
良かったら自分のサイトにも遊びに来て下さいね☆
不動産の知識を集めたサイトです☆

K 様
コメントありがとうございます。
貴サイト「不堂さん.com」を拝見しました。
サイト運営者を明らかにした方が情報の信頼度が高まるのでは!?
(おせっかいでしたm(__)m)
   ---安達司法書士---

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