中堅ゼネコンの苦境 : 安達司法書士.comブログ

2008年08月23日

中堅ゼネコンの苦境

先月7日に記事を投稿してから一月半、長〜い夏休みになってしまいました。不定期な更新にもかかわらずご覧いただいている方々には感謝いたします。


さて、新興不動産会社の経営破綻が相次いでいます。6月のスルガコーポレーション、7月のゼファーに続き、今月13日には東証1部のアーバンコーポレイションが経営破綻しました。一連の破綻要因は、米国の低所得・低信用者向けの住宅ローンであるサブプライムローン問題の影響で、金融機関の不動産関連企業に対する融資が慎重になっているのに加え、マンション販売不振による資金繰りの悪化にあるようです。不動産会社の相次ぐ破綻のあおりを受け、公共工事の減少からマンション建設工事の受注に活路を見出そうとしてきた各地の中堅ゼネコンの破綻も相次いでいます。また、新興不動産会社に積極的に融資を行っていた地域金融機関の経営も厳しくなりそうです。


経営環境の厳しさが増している中堅ゼネコンですが、その一つである滋賀県の平和奥田が、資本増強計画を今月12日発表しました。その内容は、『メーンバンクの滋賀銀行を引受先に優先株式320万株を発行し、滋賀銀行は平和奥田に対する貸出債権の一部16億円を出資(債務の株式化=デッド・エクイティ・スワップ)し、今年9月期に債務超過を解消する。』というものです。平和奥田の経営悪化の要因は、公共工事の減少はもとより、粉飾決算問題で引責辞任した3代目元社長の暴走にあるとされています。元社長(今月15日特別背任罪で起訴)は、公共工事の減少による新たな収益源を確保するため不動産事業に傾注していったようですが、ワンマン社長の暴走を止められなかったメンバーの責任も重大であると言わざるをえません。

  債務の株式化のメリットは、借手企業にとっては、借入金を圧縮して金利負担を軽減することができ、一方、金融機関にとっては、株主として経営に関与することができ、貸出先企業が再建して株価が上がれば売却益を得ることも可能です。なお、会社法においては、弁済期の到来している金銭債権を額面金額以下で出資する場合、会計士・税理士等の証明が不要となり、債務の株式化が行ないやすくなりました(会社法207条9項5号)。


不動産市況好転の見通しは立たず、不動産関連企業の破綻がさらに続くと見られることから、不動産業者や金融機関と密接な関係を持っている司法書士は、今後の動向から暫く目が離せそうにありません。それにしても、バブルの崩壊から企業経営者は何を学んできたのでしょうか?「人間は他の動物と同様に痛い目を見ないと学習しない動物」と言ってしまえばそれまでですが…。

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