安達司法書士.comブログ:繰上償還と新株予約権の消滅 - livedoor Blog(ブログ)

2008年10月31日

繰上償還と新株予約権の消滅


10月27日の東京株式市場は株価の下落が止まらず、日経平均のバブル後の最安値である7607円88銭をあっさり更新しました。終値で7162円90銭となり、1982年10月下旬以来、26年ぶりに7200円を下回りました。その後は3日連続続伸し、30日の日経平均株価終値は9026円76銭と、21日以来7営業日ぶりに9000円台を回復しました。これでも7月9日につけた今年の最高値1万8261円98銭の半値以下です。そして今日は、4日ぶりに大幅に反落し、再び9000円を割り込み、終値は8576円98銭となりました。

こうした状況が顧客企業に思わぬ影響を及ぼしました。『6月末に発行したばかりの転換社債型新株予約権付社債(以下「本社債」といいます。)を11月末に繰上償還することとなりました。』と財務担当者から連絡を受けたのです。本社債は一般にMSCBと呼ばれるもので、発行時に決定される価格よりも市場株価が下がった場合、それに合わせて転換価額も下方修正される条項(転換価額修正条項)が付されています。これにより、引き受け手は株価下落のリスクを回避できますが、株式希薄化のリスク回避のため転換価額に下限が設けられています。つまり、最近の株価水準が発行企業の想定を超えて転換価額の下限を下回り、発行企業としては、調達した資金を引き受け手に返却せざるを得ない状況に置かれたということです。

さて、本件のような繰上償還の場合、どのような登記申請をすればよいのでしょうか。実は別件で「会社法の施行に伴う商業登記記録例について(依命通知)(平成18年4月26日法務省民商第1110号)」を調べていたところ、思いがけず答えを見つけました(【新株予約権の消滅・登記記録例】参照)。『そうか、本件は行使期間満了(【新株予約権の登記事項】下線部分参照)に伴い「新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなった」のだから、「当該新株予約権は、消滅する」(会社法287条)ということか!』
― 画像をクリックすると拡大表示されます ―
【新株予約権の消滅・登記記録例】 【新株予約権の登記事項】

新株予約権の行使期間の満了による変更登記を申請する際には、委任状(委任事項は末尾記載のとおり)以外の添付書面を要しないとされています。登記の事由は「新株予約権の消滅」、登記すべき事項は「《行使期間満了日の翌日》行使期間満了」とします。登録免許税は3万円((登税法別表第一第24号(一)ネ)です。なお、本件については、大阪法務局からOKの回答をいただいています。

 【委 任 事 項】
私は、上記の者を代理人と定め、次の事項に関する一切の権限を委任する。
1 下記原因による当会社の新株予約権の消滅による変更登記の申請をすること
                    記
 平成20年11月27日行使期間満了
  なお、本件行使期間の満了は、登記記録のうち「新株予約権を行使すること
 ができる期間」ただし書き,亡陲鼎ものであり、「償還日の前銀行営業日」に
 該当するのは、平成20年11月26日である。
 本件は特則による行使期間の満了であるので、なお書きを付記します。


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