2005年05月17日
合併の苦い思い出(後)
前回は、担当者の電話から事件が始まったところで終わりました。
電話の内容は、自動車登録業務を管轄する陸運局から、提出した閉鎖謄本の記載を更正するように指示があったので、これから事務所に伺いたいというものでした。そのときは、よくある法務局の記載ミスぐらいに簡単に考えていました。
それから程無く、直接の担当者と一緒に、今回の責任者である常務もやって来ました。流石にただならぬものを感じました。
話を進める前に確認しておきましょう!
合併期日(10/1)に、存続会社B自動車販売株式会社と消滅会社A自動車販売株式会社は、同一の商号・本店をもつ株式会社になっています。この事が登記簿の記載を判りづらいものにし、今回の事件の種になりました。
陸運局の指摘は、消滅会社A自動車販売株式会社の解散事由が、「A自動車販売株式会社本店 A自動車販売株式会社と合併して解散」となっており、これではB自動車販売株式会社と合併したことにならないではないか、ということでした。
確かに、公示の観点からは誤解を生じ易い記載であることは否めませんが、当方はもちろん法務局も登記実務上問題ないと考えていました。
しかし、陸運局は譲らず自動車登録業務に支障が生ずる事態になり、ここに至っては、筋論を通している場合ではなくなりました。
そこで、法務局と打合せを重ねたうえで、錯誤を原因として、解散事由中、存続会社の本店を旧本店に更正する登記を申請して決着しました。
法務局は、管轄外の本店移転が解散の後件で申請されている以上、実体に係わらず解散事由の記載は旧本店とすべきであるとする。
陸運局は商号も更正するよう求めましたが、法務局もそこまでは譲りませんでした。更正登記は妥協の産物ですが、顧客の利益を優先した選択でした。
でも、未だにスッキリしていません、、、
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