ちょっと待ってください! : 安達司法書士.comブログ

2005年12月06日

ちょっと待ってください!

小泉内閣の記載緩和の流れに乗った行政書士への商業・法人登記の開放問題で、関係業界が騒がしくなりました。これは、日本行政書士会連合会の申し入れに基づくものです。


その中で、「行政書士等は定款作成・認証などに携わっていること等から、法的知識及び専門的能力が十分備わっているものと考えられる。この点も踏まえ、積極的な検討をお願いしたい。」旨主張されています。


一方、内閣府規制改革・民間開放推進会議規制見直し基準ワーキンググループから日司連に対してなされた「商業・法人登記の行政書士への開放について」の意見照会に対し、日司連は、商業・法人登記の行政書士への開放について(回答)を平成17年11月2日付けをもって提出しています。加えて、監督官庁である法務省は、現時点では!?拒否の姿勢(53頁参照)を貫いています。


確かに、行政書士の方々が定款の作成・認証を介して、会社の設立手続に携わっておられることは否定しません。特にウェブ上では、「会社設立」や「定款認証」で検索すると、大半は行政書士事務所のサイトがヒットします。それでも、日本行政書士会連合会が主張される「会社設立時における書面作成のうち約9割以上を行政書士が担当している!」は、かなりオーバーな気がします。


そもそも、上記日司連の回答にもあるとおり、商業登記手続中、会社設立はほんの一部に過ぎません。しかも、通常受託する設立案件は、現金出資の中小企業が大半を占めます。そのような案件に多く携わったとしても、それをもって、法的知識及び専門的能力が十分備わっているとは到底言えないと考えます。


したがって、会社の設立手続に多く携わっているという一点だけで、商業登記手続全般を十分処理できるかのような主張は余りにも無理があります。商業登記を通じて企業の合併や再生に関与してきた者としては、一般的な会社設立と合併・会社分割・資本減少等を同列に論じる日本行政書士会連合会の主張には、憤りさえ覚えます。


ただし、当方は、決して現状維持を要望しているのではありません。プロとしての知識や能力を十分に担保されていない者が、商業登記の代理人として関与することを危惧しているのです。


今世間を騒がしている違法建築事件でも明らかなように、最終的に損害を被るのは一般の方々ですから…。


商業登記って、そんなに甘いものではありません!!

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