2006年11月02日
社外取締役等の責任限定契約
公開企業の多くが、社外取締役又は社外監査役の責任限定契約の締結に関する定め(会社427①)を定款に設けています。これは、企業が社外の有能な人材を確保するために、社外取締役等が会社に損害を与えた場合に負う損害賠償責任を限定するためのものです。ただし、その者が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合に限られます。
定款では、社外取締役等との間に責任限定契約を締結することができる旨及び責任限定契約における責任限度額を定めますが(下記画像【OCR用申請用紙記載例】赤下線部分)、その額が、報酬等の2年分である「最低責任限度額」(会社425①)を下回れば、責任限度額は、法定の最低責任限度額になります。そこで、多くの企業の定款においては、『ただし、当該契約に基づく賠償責任の限度額は、法令に定める最低責任限度額とする。』と、責任限度額をストレートに定めています。
以下、在任社外取締役又は社外監査役の責任の制限に関する規定の設定による変更登記の手続についてご案内します。なお、社外取締役又は社外監査役の登記は、会作社法においては限定的なものとされましたので、ごく普通の会社では、社外取締役又は社外監査役の会社に対する責任の制限に関する規定を設けると、社外取締役又は社外監査役の登記が必要になります。
- OCR用申請用紙記載例
▶既に社外取締役又は社外監査役である旨の登記があるときは、赤枠部分は不要
▶既登記の取締役又は監査役について社外取締役又は社外監査役の登記をするときは、「就任年月日」の記載は不要
▶変更年月日は定款変更日(青丸で囲んだ部分)
- 添付書面は、定款変更を決議した株主総会の議事録
- 登録免許税額は、金6万円(登録免許税法別表第一第24号(一)カ、ツ)
▶資本金の額が1億円以下の会社については4万円、社外取締役又は社外監査役である旨の登記を要しない場合は3万円
- 登記記録例は、「会社法の施行に伴う商業登記記録例について(依命通知)」(平成18年4月26日法務省民商第1110号)87ページへ
ランキングに参加中…クリックをお願いします.
この記事へのコメント
【会作法】は【会社法】の誤りですね。
宮井研輔 様
早速訂正いたしました。
ご指摘ありがとうございました。