中間省略登記問題解決??? : 安達司法書士.comブログ

2007年02月22日

中間省略登記問題解決???

現在、webサイトを「第三者のためにする契約」で検索すると、中間省略登記(過去ログ参照)関連のニュース記事が上位でヒットします。その記事の本文には、『中間省略登記が実質公認、最終取得者は値引き交渉可能に』、『「第三者のためにする契約」公認で実質解決へ…中間省略登記問題』の見出しが踊っています。


これは、内閣府規制改革・民間開放推進会議住宅・土地ワーキンググループ主査から法務省民事局民事第二課長に対し、「第三者のためにする売買契約の売主から当該第三者への直接の所有権の移転の登記の申請又は買主の地位を譲渡した場合における売主から買主の地位の譲受人への直接の所有権の移転の登記の申請の可否について」の照会があり、これを容認する回答をしたことによるものです(平成18年12月22日法務省民ニ第2878号)。


この回答に落ち着くまでには、内閣府側は、甲→乙→丙と売買があったときに、二つの売買と三者の合意があることを登記原因証明情報に記載することで受理されるよう求めたのに対し、一方の法務省側は、従来の取扱いを維持すべく、「第三者のためにする契約」や「買主の地位の譲渡」(モデル様式)を活用する方式を対案として示した上で、現場における取扱いについて、誤解や不一致が生ずることのないよう、運用の改善を約束した経緯があるようです。


そして新年早々、前記回答を不動産の登記実務に携わる司法書士に周知徹底させるために、法務省民事局民事第二課長から日司連に通知が出されました(平成19年1月10日法務省民ニ第53号)。


この通知を受けた日司連は、『本通知は、従来の取扱いを変更するものではありません。「第三者のためにする取引」及び「買主の地位の譲渡」について、甲乙間及び乙丙間の契約内容から実体上も甲から丙に直接所有権が移転していると認められる場合に限定したものであり、甲乙間及び乙丙間双方に不動産売買契約が二つ存在する場合は該当しないことをご理解ください。(中略)実体の合わない登記原因証明情報の作成は、綱紀上の問題になるとともに、法律に抵触することも考えられますことを付言します。』(平成19年1月16日(お知らせ)より抜粋)といった内容の文書を、各単位会を通じて会員に配布しています。


これで中間省略登記問題が解決したとはいえず、今後も運用面での紆余曲折が予想されます。最後に、京都司法書士会の「規制改革・民間開放の推進に関する第3次答申」について(意見書)をご紹介します。

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2007年06月28日追記



日司連は先月末に、『特約等の存在により実体上甲から丙へ直接所有権が移転していると認められる場合において甲から丙への所有権の移転の登記を申請することができるとする本件二課長通知における法務省の解釈に何らの限定を加えるものではありません』と、本文で紹介した平成19年1月16日(お知らせ)の追加通知を出しました。


また、国土交通省は「第三者のためにする契約」に対応するため、中間の不動産業者と最終取得者の契約を他人物売買(宅建業法は原則他人物売買を禁止)として締結できるように、7月上旬に宅建業法の規則改正を行う予定です。


これにより、売主と中間の不動産業者の売買契約に「第三者のためにする契約」という特約条項を付け、売主から最終取得者への直接の所有権移転登記が可能になります。今後、この方式が定着することになりそうです。


【平成18年12月22日法務省民ニ第2878号回答モデル様式】



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この記事へのコメント

1. Posted by まみむめも   2007年06月27日 20:16
>>これで中間省略登記問題が解決したとはいえず、今後も運用面での紆余曲折が予想されます。

いろいろいわれていますが、現状はどうなってるのでしょうか。

まみむめも さん
コメント有難うございます。
追記▲をご覧ください。
   ---安達司法書士---

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