2007年07月19日
会計監査人の変更
会計監査人を置く株式会社又は会社法の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社(「会計監査人設置会社」(会社2条11号)といいます。)であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称を登記する必要(会社911条3項19号)があります。
さらに、会計監査人の任期は1年(会社338条1項)ですから、定時株主総会で毎年改選しなければいけません。ただし、現監査法人と監査契約を継続する企業では、会社法第338条第2項の会計監査人の「再任」みなし規定(注)1により、定時株主総会に会計監査人選任議案を上程する必要はありません。
会計監査人設置会社登記記録例
会計監査人設置会社に関する事項
会計監査人設置会社
平成18年 6月29日登記
(注)1 会計監査人の再任みなし規定による重任の登記の申請書には、監査法人の登記事項証明書及び会計監査人選任議案のない定時株主総会の議事録を添付すれば足り、会計監査人が就任を承諾したことを証する書面の添付は要しない(平成18年3月31日付法務省民商第782号通達要旨)こととされています。また、取締役、監査役の変更登記と一緒に申請すれば、会計監査人の変更分の登録免許税は別途必要ありません(登録免許税法別表第一第24号(一)カ)。
登記事項証明書に会計監査人設置会社に関する事項▲がない会社が、新たに会計監査人を置いた場合の登記の申請書には、会計監査人の変更登記添付書面▼を添付しますが、株主総会の議事録の内容としては、会計監査人設置会社の定めが盛り込まれた定款変更議案を決議し、会計監査人を選任したものであることが必要です。登録免許税は6万円(資本金の額が1億円以下の会社であれば4万円)です(登録免許税法別表第一第24号(一)カ、ネ)。
会社法抜粋
(会計監査人の任期)
第338条 会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。
3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置会社が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
会計監査人の変更登記添付書面
- 会計監査人を選任した株主総会の議事録(商登46条)
- 会計監査人が就任したことを証する書面(同法54条2項1号)
- 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書(同法54条2項2号)
- 会計監査人が法人でないときは、公認会計士であることを証する書面(同法54条2項3号)
▶当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
会計監査人重任登記記録例
最後に、法人である会計監査人の名称に変更が生じた場合には、会計監査人の名称変更の旨及び変更年月日を登記することとされました。その際の添付書面は、監査法人の登記事項証明書とされています。ちなみに、会計監査人が個人の場合は、取締役等の氏名変更と同様に、これを証する書面の添付は必要ありません。
会計監査人の名称変更登記記録例
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この記事へのコメント
会計監査人登記について毎年必要だと指摘を受けました。何故かと思いネットで検索したところこの記事が目に入りました。簡潔な説明で良く理解できました。TKS
上山恵一 様
コメントありがとうございます。
お役に立てて幸いです。
---安達司法書士---