2008年04月28日
休眠担保権抹消のための供託
2005年2月に開設したこのブログも、やっと100件目の記事を迎えることができました。3年強で100件ですから、いかに更新が遅いかがわかろうかというものです。それでも毎日多くの方にアクセスしていただき、ありがとうございます。今後もマイペースで記事をアップしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
さて、大阪で桜が散り始めたある日、メールで相談を受けていた方から、休眠担保権の抹消登記手続を依頼されました。本件は、抹消対象の抵当権が明治時代に設定された債権額400円のものであること、何よりもなるべく費用を抑えたいという依頼者の要望に合致することから、弁済供託による抹消手続(不登法70条3項後段)を利用することにしました。
今回はその中から、オンラインによる供託手続を中心に説明することにします。
弁済供託による休眠担保権の抹消登記の概要(計算を含みます 。)については、こちらをご覧ください。
まずは申請情報の作成から始めます。「申請用総合ソフト」を起動して、[処理状況表示]画面から[申請書作成]をクリックします。[申請様式一覧選択]画面が表示されるので、[供託]−[供託書(金銭供託)【署名不要】]−[供託書(金銭供託)⑸その他【署名不要】](注)1の順に選択し、[選択]をクリックします。[申請書作成・編集]画面が表示されるので、申請書に申請情報を入力します(▼画像【供託申請情報】参照)。
(注)1 供託のオンライン申請をする際には、申請情報に電子署名は不要です。詳しくはこちらをご覧ください。
▼
申請情報の送信は、供託においても添付書面別送方式が認められています(供託規則39条2項ただし書き)。ここで注意すべきは、申請情報の送信時間です。仮に、申請情報が供託所の受付時間外に到達した場合(注)2、申請情報の不備による補正対象になる可能性があります。
(注)2 供託所における受付時間については、こちらをご覧ください。
▼
供託所における審査が終わると、受理決定の内容が通知されます。[処理状況表示]画面を表示して、当該供託申請書の[お知らせ]ボタンをクリックし、[お知らせ]画面で内容を確認します(▼画像【供託受理決定通知書】参照)。続いて供託金の納入です。登録免許税の納付同様、当該供託申請書の[納付]ボタンをクリックし、インターネットバンキング等による電子納付を行います。
▼
オンラインによる交付を請求した供託書について、供託所から電子供託書正本(以下「電子正本」といいます)が発行されると、[処理状況表示]画面に[公文書]ボタンが表示されます。電子正本を取得するには、[公文書]ボタンをクリックし、表示される[取得公文書一覧]画面で、[電子公文書の書き出し]ボタンをクリックします。
なお、申請情報の[電子供託書正本のオンライン提供及びみなし供託書正本の送付を請求する。]にチェックすると、電子正本の取得及びみなし供託書正本(以下「みなし正本」といいますクリックするとPDFが開きます)の送付を受けることができます。
― 画像をクリックすると拡大表示されます ―
最後に、本件抹消登記のオンライン申請について少し触れておきます。申請情報の作成(クリックすると拡大します)から送信までの手順については、通常の抹消登記と変わるところはありません。ただ、「供託されたことを証する情報」として電子正本を添付します。登記原因は「弁済」、その日付は供託の効力が生じた日(供託金払込みの日)とされています(昭和63年7月1日民三第3456号通達、昭和63年首席登記官合同163、登研494.125参照)。なお、供託金払込みの日については、電子正本の「受入年月日」又はみなし正本の「証明年月日」がこれに該当します。
ランキングに参加中…クリックをお願いします.
2014年04月25日追記
元記事の操作手順・画面は、旧システム稼働中のものでした。今回、操作手順については、現行の「申請用総合ソフト」に合わせて改訂を行ないました。一方、画面はそのままですが、表示内容は、「申請用総合ソフト」とほとんど変わりません。