2008年12月24日
株券電子化始まる!
昨年度に過去最高益を記録した世界のトヨタが22日、初の営業赤字へ転落する見通しになったと発表したことで、休み明け24日の東京株式市場では、自動車株をはじめ輸出関連銘柄の多くが値を下げ、ほぼ全面安の展開となりました。24日の日経平均株価の終値は8517円10銭でした。サブプライム問題が解決したわけではなく、まだまだ世界経済の先行きが不透明なことから、来年の経済は今年よりもさらに悪化するだろうといわれています。
株式といえば、株券電子化(株式のペーパーレス化)が、いよいよ新年1月5日(以下「一斉移行日」といいます。)から実施されます。これにより、上場会社の株券はすべて廃止され、株券の存在を前提として行われてきた株式の発行・売買・譲渡などが、証券保管振替機構(以下「ほふり」といいます。)及び証券会社等に開設された取引口座を使ってコンピュータシステムで管理されるようになります。
一方で、非上場会社の株券には、株券電子化制度は適用されません。これらの会社については、定款を変更して株券を発行する旨の定めを廃止しない限り、株券発行会社としてそのまま存続します。ただ、平成18年5月1日施行の会社法により、同法施行後に設立された株式会社は、株券不発行会社が原則とされましたので(会社法214条参照)、株券発行会社がむしろ例外に属します。
上場会社の株券を発行する旨の定款の定めについては、「みなし定款変更」(株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律(以下「決済合理化法」といいます。)附則6条1項)により、株主総会の特別決議を経ずに一斉移行日をもって廃止されることとなります。そして、ほふりが交付する証明書(画像はクリックすると拡大します)を添付して(決済合理化法附則6条7項、商登法63条)、株券を発行する旨の定めの廃止による変更登記を申請します。一斉移行日から2週間ほど、大都市の法務局では申請集中による事務処理の遅延が予想されます。
なお、2009年1月以降に新規上場する会社の場合、その会社の上場の時点では、既に上場会社の株券電子化は完了していますので、当該会社は、上場する前に定款を変更して株券を発行する旨の定めを廃止し、その変更登記を済ませておく必要があります(注)1。
(注)1 添付書面は、株主総会議事録及び会社法218条1項の規定による公告をしたことを証する書面です。
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