2016年06月16日
日本公庫の順位変更
安倍首相は今月1日、7月10日投開票の参院選に向けて、『アベノミクスはうまくいっている』としながらも消費増税の再延期を表明。安倍さんの『新しい判断』は選挙にどう影響するか。
さて、本題です。先月末、日本政策金融公庫(以下、「日本公庫」という)の抵当権設定登記の依頼を受けました。融対物件には既に甲乙丙3行の抵当権が同順位で設定されており、各行と日本公庫の抵当権を同順位とする順位変更も必要でした。
まず、日本公庫の抵当権設定登記の非課税証明について触れておきます。平成28年4月1日から、非課税証明(登録免許税法別表第3の1の3の項の第4欄)のために必要な登記事項証明書に代えて、申請情報に会社法人等番号を記載▼すれば足りることとなりました。
債務者 ◯◯◯◯株式会社
会社法人等番号120001XXXXX8
それでは、本記事のテーマである順位変更の申請情報の様式、および留意すべき事項(様式の赤字箇所)を以下に記します。
登記申請書
登記の目的 5番(あ)、5番(い)、5番(う)、6番順位変更
原 因 平成28年6月13日 合意
変更後の事項 変更後の順位
第1 5番(あ)抵当権、5番(い)抵当権、5番(う)抵当権、6番抵当権
添付情報
登記識別情報提供様式 登記原因証明情報(特例)(PDF) 会社法人等番号(一部前件添付) 代理権限証書(特例)
平成28年6月13日申請 △△法務局(登記所コード:−−−−)
申 請 人
株式会社甲銀行
会社法人等番号…
株式会社乙銀行
会社法人等番号…
株式会社丙銀行
会社法人等番号…
株式会社日本政策金融公庫
※会社法人等番号は省略
代 理 人 (省略)
登録免許税 金 4,000 円
(以下、省略)
- 原因は「〈登記申請日〉合意」 質疑応答▼参照
▶抵当権の順位は、登記の前後によるものとされ、抵当権の順位の変更は、登記された抵当権についてのみ行われるものと解されるので、抵当権の順位変更の合意の日付としては、関係抵当権全部の設定の登記の日以後のものでなければならない(登研367・136)。
- 登記原因証明情報のPDFは、日本公庫の受付番号は空欄のままで送信します。もちろん、原本は通知された受付番号を記入してから提出します。
- 1件目(日本公庫の抵当権設定)の申請情報に会社法人等番号を記載し、2件目は会社法人等番号の記載を省略します。
- 登録免許税は本則通り抵当権の件数×1,000円 先例▼参照
▶中小企業金融公庫(日本公庫の前身機関の一つ)が当事者となって抵当権の順位変更の登記を受ける場合においては、同公庫の抵当権の順位が他に優先することとなる場合であっても、登録免許税法4条1項の規定は適用されない(昭和48年10月31日民三第8188号回答)。
- 登記識別情報は通知されません。また、登記完了証は1通のみ発行されます。
最後に、ちょっと余談。申請の翌日、登記所から連絡が入った。内容は、乙銀行が商業登記を申請中なので1月以内の資格証明書を提出して欲しいとのこと。でも、この日のうちに商業登記が完了して、資格証明書は提出せず仕舞い。6月から7月にかけては役員変更登記が集中するので要注意です。
法務省の「添付情報の変更に関するQ&A」はこちらへ
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