合併オンライン申請 : 安達司法書士.comブログ

2017年07月13日

合併オンライン申請

2017年も早くも後半戦。今月に入って、各地で梅雨末期の大雨に見舞われています。特に九州北部では記録的な豪雨となり、川の氾濫、土砂災害が発生しました。被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

さて、7月3日に申請した合併による変更登記が、猛暑が続き梅雨明けが気になる12日（水）にやっと完了。案件自体は上場企業の100%孫会社同士の “無対価合併”、というごくありふれたもの。それでも、存続会社と消滅会社の管轄登記所が異なる合併オンライン申請は、新システムを使い始めてからは初めて！

ここからは、本件合併オンライン申請の流れを、自己の備忘録も兼ねて紹介していきます。

合併による変更登記申請書の入力事項のうち、「経由の有無」について「有」を選択します。「管轄登記所」欄の入力は不要です。－画像参照（クリックすると拡大します）－

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合併による解散登記申請書の入力事項のうち、「申請先登記所」欄に、消滅会社の管轄登記所ではなく、経由する存続会社の管轄登記所（商登82②）を設定します。「経由の有無」について「有」を選択、「管轄登記所」欄に消滅会社を管轄する登記所を入力します。－画像参照（クリックすると拡大します）－

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合併による変更･解散の2件の申請書を選択し、「申請データ送信」ボタンをクリックします。「送信前申請一覧」画面が表示されるので、2件とも「送信対象」欄にチェックを入れたうえで、「順番」欄に「1、2」と入力します（同時申請（商登82③））。「送信」ボタンをクリックします。－画像参照（クリックすると拡大します）－

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合併による解散登記申請書の「申請先登記所」欄に消滅会社の管轄登記所を設定していた場合、「送信」ボタンをクリックすれば、エラーとなります。「送信不可」画面（クリックすると拡大します）が表示されるので、「OK」ボタンをクリックします。解散登記申請書の「申請先登記所」欄を、存続会社を管轄する登記所に設定し直します。

最後に、本件添付書類等についても少し触れておきます。

消滅会社の「株主リスト」（商登規61③）は、存続会社の代表取締役が作成し、登記所に提出された印鑑を押印（平成28.6.23民商99）。
消滅会社が株券発行会社、かつ、株式の全部について株券を発行していないので、これを証する書面（商登59①Ⅱ、80Ⅸ）を提出。
合併に際して存続会社に新たに取締役が選任されたので、取締役の就任承諾書（商登54①）＋「本人確認証明書」（商登規61⑦）を提出。
存続会社の登録免許税は、合併による変更の登記と取締役の就任による変更の登記を合算した4万円（登免法別表一24号（一）へ、カ）を納付。

☟ 本件合併契約書（資本金の増加なし）

以上、久々の商業登記ネタでした(笑)

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│Comments(2)│オンライン申請 | 商業登記：組織再編│

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この記事へのコメント

1. Posted by yamada 2017年08月07日 13:34

先生の記事を参考にさせていただいております。
２点ご教示いただきたいのですが、
（１）オンラインで同時申請は、番号をどちらも「１」「１」とされないのでしょうか。
（２）以前の記事で一方の会社が債務超過会社の吸収合併について記載されていましたが、いまや債務超過会社を消滅会社にすることも可能となりましたが、債務超過会社同士の吸収合併も、株主総会等所定の手続きをすれば可能でしょうか。

yamadaさん、コメント有難うございます。
（１）については、商業登記の「同時」申請は、「順番」欄は必ず「１」「２」となります。ちなみに、「１」「１」は不動産登記の「同順位」の設定に使います。
（２）については、結論としては「合併は可能」です。貴殿のご指摘どおり、合併差損（消滅会社が債務超過）が生じる場合であっても、吸収合併ができるようになりましたから…。
　　　---安達司法書士---

2. Posted by yamada 2017年08月07日 20:57

安達先生、ご教示いただき有難うございます。
不動産登記と商業登記では、同時申請の意味合いも違っていたのですね。
また、いずれも債務超過の２社の合併の件も教えていただき、有難うございました。
まだ初心者ですが、引き続き宜しくお願いします。

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