2018年05月17日
相続登記が免税に!?
平成最後のGWが終わって早や10日あまり。来年の今頃はすでに新しい元号が始まっているのだと思うと感慨深いものがあります。ただ、行政システムの一部について、政府は新しい元号となる来年の5月1日以降も「平成」の元号を一定期間使い続ける検討に入ったとのこと。
それでは、本題へ。いわゆる所有者不明土地問題を少しでも解消するために、今年度から相続登記の条件付き免税措置が始まりました。大阪市内でも葉桜が目立つようになってきた先月上旬、この条件を満たす相続案件が舞い込みました。
免税措置を受けるための条件とは?
①登記対象物件が土地であること。②当該土地を取得した相続人が登記を受ける前に死亡していること。③平成30年4月1日から2021年3月31日までの間に死亡した相続人を名義人とするための所有権の移転登記を申請すること。
そこで、本件についてみると、対象物件は5年ほど前に亡くなったA名義の土地。Aの相続人は子のB・C(依頼者)のみで、相続登記を放置していた本年3月、独り身のBが亡くなった。なお、本件は、AからB・Cへの共同相続登記だが、Bが所有権の移転を受ける持分に相当する部分については、登録免許税の免税措置を受けることができます。[1]
直系尊属の戸籍の取得に日数を費やしたものの、GW明けの5月7日にようやく、「Aの死亡日相続」を原因とする所有権移転登記(☟参照)、「Bの死亡日相続」[2]を原因とする亡B持分全部移転登記の連件申請にこぎつけました。
登記申請書
登記の目的 所有権移転
原 因 平成24年11月23日相続
相 続 人 (被相続人 A)
住 所
持分2分の1
亡B
住 所
2分の1
C
登記識別情報通知希望の有無: 登記所での交付を希望する
添付情報 登記原因証明情報(特例)(PDF) 住所証明書(特例) 代理権限証書(特例)
平成30年5月7日申請 △△法務局(登記所コード:−−−−)
代 理 人 (省略)
課税価格 金 6,116,000 円[3]
登録免許税 金 24,400 円
租税特別措置法第84条の2の3第1項により一部非課税[4]
(以下、省略)
脚注
- ☝ 租税特別措置法第84条の2の3第1項の規定の施行等に伴う不動産登記事務の取扱いについて(通知)(平成30年3月31日付法務省民二第168号)
- ☝ Bの死亡日時が判明しないため、戸籍上「平成30年3月11日頃から20日頃までの間に死亡」と記されている。登記原因もこれに準じて「平成30年3月11日頃から20日頃までの間相続」と記載(登研337.70参照)。
- ☝ Cが相続により取得した持分に相当する土地の評価額を記載。
- ☝ 免税措置を受けるため、登録免許税の欄に「租税特別措置法第84条の2の3第1項により一部非課税(Bの持分相当額だけなので「一部」)」 と記載。
最後に、本件登記完了後の「全部事項証明書(抜粋)」☟を上げておきます。参考までに!
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